レッチリの良さがわからない。
はじめに断っておくと、批判する気は毛頭無い。演奏技術の高さや存在感、全て別格というのはなんとなくわかっているつもりである。我が国でのフェスでも非常に重要な足跡を残してくれていることも知っている。
松坂大輔の良さがわからない。
自分がホークスファンということとは無関係。第一回、第二回WBCでは彼の働き無しには優勝、それも連覇は無かっただろう。甲子園でのノーヒットノーランなんていう大記録も、今尚色褪せないインパクトを持って光り輝いている。
スターウォーズの良さがわからない。
壮大なスケール感のテーマ曲、連綿と続くエピソード、何十年にもわたりファンを魅了し続ける世界観。とはいっても見たことあるのは4作目(最初に公開されたやつ)だけだが。でも、登場人物は結構知っている。ハンソロ、ダース(ク?)ベイダー、金色のアレ、公園の揺れるタイプのゴミ箱みたいな相方、ナントカ姫、スカイウォーカー(ルーク?)…。
それぞれのファンの方、お気を悪くしたらすみません。冒頭にも書いた通り、決して貶めるつもりはないのである。ただ、何度チャレンジしても好きにはなれなかった、いや、心に触れることはなかったのだ。
「そもそも、好きになろうとする必要ある?」
なんて突っ込みたくなる方もいるであろう。はっきりと回答しておこう、
好きになろうとする必要は、非常にあると思う。
好きなものは、多ければ多いほど良いに決まっている。理由はそれだけである。逆を考えてみれば簡単だ。
嫌いな物事に囲まれている人生。…どうだろうか。自分の部屋ならまだいい。でも、外界は自分の好みに合わせてくれるはずもなく、ドアを開けると、目にとっても耳にとってもノイズだらけなのである。興味がない程度のホワイトノイズ程度ならまだいいが、「これは嫌いやわ〜」みたいなもんに出くわした時のストレスたるや。しかもそれが繰り返される日にはほとんど拷問と言って良いだろう。
※スーパーの、売り出し中の商品のコーナーなんかは大変である。CMのエンドレスを聞かされるうちにその商品を嫌いにならないスタッフがいるだろうか。嫌いで済めばいい。憎悪に近い感情に発展する可能性の方が高そうな気がする。
閑話休題。
たとえ、好きなものや興味あることに結びつかなかったとしてもそれはそれでいいと思う。何回か触れるうちに訪れる状態として、「お! 結構いいやつそうやん」的な親近感に似た感情が生まれることがある。対象が人間なら、出身地が同郷だったりするだけでいきなり壁が取っ払われたり、作品なら関係者の中に自分の好きな名前を見つけた途端に掌返しということもある。
もしかしたら、こうして抵抗感が減るだけで十分なのかもしれない。今は好きになれなくてもいつか本格的にどっぷり浸かることになることだってあるだろう。人生は長い。昔は嫌いだったワサビが今では好物の一つになったりするわけである。